発泡プラスチックは湿気に強い

発泡プラスチック素材の断熱材では、ポリスチレンフォーム・硬質ウレタンフォーム・フェノールフォームの三つが代表的です。ポリスチレンフォームは、ポリスチレンを溶解させて発泡剤や難燃剤を加えて加工したものになります。板状に押し出し形成されて、必要なサイズにカットされて現場で使用されます。
いわゆる発泡スチロールに相当するもので、それを断熱材として採用されているわけです。断熱材の性能をはかる上でポイントになるのが熱伝導率です。熱伝導率が低ければ低いほど、熱の移動が少なく断熱性能に優れているとみることができます。ポリスチレンフォームは熱伝導率が低いのが特徴で、厚みを増すことでさらに熱伝導率を下げることも可能です。ポリスチレンフォームの断熱性能が高いことで、保温・保冷効果も見込めます。暑い夏場は涼しく、寒い冬場は温かく年間を通じて快適な室内生活をサポートしてくれます。またポリスチレンフォームはプラスチック系素材であることから、他の繊維系断熱材に比べると水分に強いのも特徴のひとつです。この点グラスウールなどの繊維系素材では水分が浸入すると、断熱性能が低下したり落下するなどの事態につながりかねません。
経年劣化にも強いことから、すき間が出来てしまう心配もありません。隙間ができると空気が侵入し劣化を促進することもあります。そして何よりも軽く現場での加工も容易なのもメリットです。運搬時にも人員を必要とせず施工にも熟練したスキルを必要としません。
硬質ウレタンフォームは、ポリウレタン樹脂を主成分に発泡させたプラスチック系断熱素材です。微細な泡の集合体で、その泡のなかには熱を伝えにくい空気が閉じ込められていることから、高い断熱性能を発揮します。硬質ウレタンフォームは、現場吹きつけ加工を行うため窓や筋交い周辺など、入り組んでいて断熱材の施工が難しい箇所でも、隅々まで断熱材を吹き付けることが出来ます。他の断熱素材にはない自己接着力があり、柱や梁との間に隙間ができにくく、結露やカビ発生を防止します。
フェノールフォームは、フェノール樹脂に発泡剤や硬化剤を添加したプラスチック系断熱材です。加熱されると硬化する性質があるので、非常に燃えにくく有害ガスが発生することもほとんどありません。熱伝導率の低さも圧倒的で高い断熱効果が長期間持続します。ただし他の断熱素材に比べるとコストがかさむのがデメリットで、価格はかなり高くなります。