健康住宅を建てるなら天然素材

シックハウス症候群に苦しむ男性シックハウス症候群の発生などが他人事ではないことと意識されるようになり、家づくりでも健康を意識したスタイルが広がりを見せています。家全体を見回してみれば、様々な素材で構成されており石油由来のものから、天然素材のものまで数多くの種類で形作られているのはたしかです。なかには人体に有害な物質が含まれていることもあり、それらの一部が単独であるいは複合してシックハウス症候群に代表される健康被害の発生の原因となっているわけです。いわゆる健康住宅はこのような問題意識を背景にして、実践されてきた人体への影響を最小限にとどめ快適で健康的な生活の実現を目標としています。
最近では居住空間でも環境意識をもち、地球環境に負荷の少ないライフスタイルの必要性が認識されるようになりました。ZEH住宅はある種の完成形と言えますが、エネルギー消費を抑制するには住宅性能を上げる必要があります。エネルギー消費との関連で重要視されるのが断熱素材です。なぜなら断熱性能をあげることで光熱や空調に消費されるエネルギーも抑制することが叶うからです。
しかし従来の断熱材は必ずしも人体へ影響を与えないとは評価できない素材も少なくありませんでした。例えば発泡スチロール系の素材では、火事発生時に有毒ガスが発生するという懸念があります。
このように人体に優しく、環境にも優しい点で天然素材の断熱材が注目を集めるようになりました。
天然素材の断熱材ではウールブレスと炭化コルクが代表的です。ウールブレスの主な原料は羊毛で、70%以上が羊毛で出来ています。ウールブレスは原料となる羊毛に防虫処理をしており、その効果は半永久的に持続するといわれるほどです。ウールブレスの最大の魅力は、高い調湿性と断熱性能の高さにあります。ウール素材自らが、湿気を吸湿・放湿し空気をとどめて断熱効果を発揮します。古来から絨毯の素材に使用されてきたことから推測されるように、耐久性にも優れます。ただし価格が高いのがウールブレスのデメリットです。
炭化コルクは、ワインのコルク栓などを製造する際にでる廃材を原材料に使用している断熱材になります。豊富に空気を含んでおり断熱性・吸湿性に優れます。原材料のコルクには防虫効果があり、ダニを寄せ付けません。ただし生産されるコルクには限りがあり、海外からの輸入になってしまうこともありコストはかなり高くなるのがデメリットです。天然素材は魅力的ですが、価格面でどこまで譲歩できるかがポイントになりそうです。